2018年4月30日月曜日

​【報告】17/9/24勉強会「心が動くパネルディスカッションのデザイン」

概要

ご報告遅くなってしまいましたが、昨年9月の「心が動くパネルディスカッションのデザイン」の報告です。




スタッフ内で話していた時、パネリストとしての経験や、パネルディスカッションの企画経験があるメンバーが、パネルディスカッションの難しさや、面白さについて語ったことがきっかけで、そのままそれがテーマとなったものです。

ご案内文はこちら。
http://taiwalab.seesaa.net/article/452744370.html


今回の勉強会ではパネルディスカッションのコーディネーター(進行役)の役割に注目し、二つの形を実際にやってみて、振り返りました。

1、三者ディスカッション
コーディネーターのやっていることを、ルールに置き換え、パネリストのみが話をする形式をこう呼ぶことにしました。

2、通常のパネルディスカッション
通常のコーディネーターがいる形式ですが、コーディネーターが何を考え何をやっているか、どんな役割を取っているのか、じっくり見てみます。

三者ディスカッション

こんなルール、テーマで前に出た方3人にディスカッションをしてもらいました。
話し合ってもらったテーマも、パネルディスカッションがらみです。
ワールドカフェでは個別のテーブルにはコーディネーターがいなくても話がうまくいくのと同様に、場を作ってみるという考え方です。
実際、コーディネーターいないほうがよかったんじゃないか、と思うようなパネルディスカッションを見てきた経験からもこんなのがやりたくなりました(^^)


実際やってみるとこんな感想が集まりました。
  • 話している側は緊張感があり、次の話題も何とか作るようなタイミングも。でも聞いてる側は、予定調和がなく面白く感じる。
  • 臨場感がある
  • 三人がちょっとお互いを知りあってから始めるといい
  • 3人が司会をするような役割について自覚する必要がある(どうそれを伝えるかは課題)
  • 途中で変化球のような質問があるといい(途中で割り込んで質問だけ投げる人がいるとか)
  • 隠れファシリテーターを入れると面白いかも。
  • 批判、肯定、進行など、役割を作って入れ替えてもいいかも。

前提を整える必要があったり、状況により使えない場合があったりもするとは思いますが、パネルディスカッションの代わりとする1つの方法として可能性を感じられた時間でした。

通常のパネルディスカッション

進行役は対話ラボのスタッフのゆきちゃん。パネルディスカッションの進行役をした経験も豊富です。
テーマは「パネルディスカッションの事前打ち合わせで大切にすること」
3人のパネリストがどんな経験をしているかある程度は把握している上で、テーマの前提を整理したり、問いかけて話を進めていきます。


ちょっと、三者ディスカッションで話したところと被るところもあったから、こちらの方が話しにくいかもというところはあったのですが、こんな感想が出てきました。
  • 聞いてい側も話の進め方はすごく安心感がある。が、つまらない・・・。
  • ただ、スルースルーと流れていく。
  • 前に出ている3人も安心であり、コーディネーターに任せてしまっている感じ。
  • パネリスト同士で質問をしあうように仕向けるといい。
  • こちらでも隠れファシリテーターを入れておくのもいいかも(あとで誰だったと思うかと聞くとか)
  • 「空気を読む感じ」の中で相手の話をいかに切るか。相手の全存在を肯定する感じがあるからこそ話を切れる。

振り返り

振り返りでは以下4つの質問をワークシートに書いてから共有しました。
少し長いのですが、学びも多かったので書き出しておきます。
  1. 三者ディスカッションはどんな場面で使えると思いますか?また、どんな工夫があると、使いやすくなると思いますか?
  2. PDはどんな場面で使えると思いますか?また、どんな工夫があると、使いやすくなると思いますか?
  3. PDのコーディネーターは何をしていたと思いますか?どんな投げかけがパネリストの話を引き出したと思いますか?
  4. 三者ディスカッション、PDを自分が企画するとき、大切にしたいことがあれば書いてください。

三者ディスカッションはどんな場面で使えると思いますか?また、どんな工夫があると、使いやすくなると思いますか?

  • パネリスト「同士」の議論を深めるのに有効
  • 気心が知れた同士でやるか、事前にしっかりMTGができるときに
  • 話しやすいテーマの設定。あまり話が広がりすぎない問いがいい。
  • パネルリストにディスカッションの技量があるとき
  • コーディネーター的役割をお互いに担う必要について、パネリストが自覚しておく
  • ドキドキさせたいとき、応援させたいとき
  • キックオフ、クラウドふぁうんディング

PDはどんな場面で使えると思いますか?また、どんな工夫があると、使いやすくなると思いますか?

  • 予定通りの話をするとき、議論をしっかりとまとめるとき、きちんとした形を求めたいとき
  • テーマの設定が大切。
  • パネリストのことをよく知っておくのが重要
  • あまり話すのが上手ではないパネリストがいるとき
  • 予定調和が苦手なパネリストを入れておくといい。
  • パネリスト同士が仲良くなっておいてもらうといい。(ディスカッションが起きやすくなる)
  • 主催者が来場者に問題意識を持って帰ってもらう目的の時
  • ポイントを絞り1人の持ち時間を短くする
  • 途中、聴衆の1人を壇上に呼んで質問してもらうとかすると、予定調和がなくなり面白そう。

PDのコーディネーターは何をしていたと思いますか?どんな投げかけがパネリストの話を引き出したと思いますか?

  • 時間管理、パネリストにとっての安定感、オーディエンスへの安心感
  • シナリオを立てる
  • 話の流れのコントロール。きれいに流れるように。
  • パネリストが話しやすいように質問する
  • 他のパネリストの話との関連付け、意味づけ

三者ディスカッション、PDを自分が企画するとき、大切にしたいことがあれば書いてください。

  • パネリスト同士の議論・対話
  • 参加者同士の信頼感と理解向上
  • 場づくりの前提の共有
  • 何を提供するためにパネルディスカッションをやっているのか聴衆に伝える
  • テーマについて問題意識やもやもやを持ち帰ってもらいたいときは、最後のまとめでそのようなことをコーディネーターが補足して締めるといい。
  • 予定調和を崩す変化球の質問が出る工夫を入れる
今回集まったのは少人数だったのですが、コーディネーターやパネリストの経験のある人たちが集まって、いろいろ実験できたのでたくさんのまなびがありました。
この勉強会の開催の直前、パネルディスカッションについてはこんなブログ記事も出てきていたので勉強会でも紹介しました。

【参考情報】
【イベント企画者に贈る】パネルディスカッションを面白くするための7つのポイント
https://mirai.doda.jp/theme/publishing/panel-discussion/

このブログでも大切にしているのは即興性。また、コーディネーターの力量必須という前提で書かれています。
対話ラボの今回の勉強会では、状況をうまく作れれば三者ディスカッションを使うのもいいのではという実感が持てた機会にもなりました。



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